1日の労働時間は法律により8時間と定められていますが、残業が発生する企業がほとんどであるため、それ以上働くことになるでしょう。
仕事量が多い企業であれば12時間労働になるケースは決して珍しくなく、働き続けることで心身にどのような影響を与えるかは気になるところです。
そこで今回は、毎日12時間労働はきついのかを解説します。また、そのような環境から抜け出す方法についても触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
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毎日12時間労働はきつい?
毎日12時間労働が続いている環境は、非常に残業が多いといえるでしょう。労働基準法により1日の労働時間は8時間と定められているため、毎日4時間の残業が発生していることとなります。
1ヶ月の稼働日が20日とすると、月の残業時間は80時間です。月80時間もの残業がある会社は、特別な事情を除き労働基準法に違反していることから異常といえます。
月80時間の残業が発生しても違法にならないのは、研究開発業務・建設業・自動車の運転・医師など特定の業種です。しかし、このような特別な職種でも残業時間は年間で720時間、2ヶ月から6ヶ月の平均で月80時間以内とされています。
また、残業時間が多くなると疲労が蓄積し、集中力・思考力・判断力が低下する傾向があるため注意しなければなりません。
残業のルール
残業は労働基準法により細かくルールが定められています。そもそも労働時間は労働基準法によって「1日に8時間、週40時間を超えてはならない」と決められています。
この労働時間を超過したものが「残業」となりますが、残業をする場合は労働基準法の第三十六条による使用者・労働者間で協定(サブロク協定)を結ばなければなりません。
この協定がない状態で残業をすることは違法です。また、残業時間には1ヶ月45時間・年360時間と上限が定められています。
よって、毎日4時間の残業をしている状況は明らかに労働基準法を逸脱しているといえるでしょう。
前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする。引用:労働基準法 第三十六条 |
12時間労働がきついと感じる理由
12時間労働がきついと感じる主な理由は次の通りです。
- 長時間労働の疲労により体力がもたない
- 働いて寝るだけの生活になる
- 拘束時間が長くストレスが溜まりやすい
長時間労働の疲労により体力がもたない
1日に12時間も働いている場合、疲労が蓄積して体力や集中力が持続しません。この12時間労働が連日続くとなると疲労は余計に溜まっていくため、どこかで限界を迎えるでしょう。
若い内であれば多少の無理はできますが、年齢を重ねると限界を迎えるまでが短くなります。このように体力的・肉体的な負担が大きいことから、「12時間労働はきつい」と感じるのです。
働いて寝るだけの生活になる
12時間も働くと、帰宅してから自分の時間をほとんど確保できません。17時が定時であったとしても、残業を4時間すると仕事が終わる時間は21時です。
通勤時間が片道1時間であれば帰宅できるのは22時になり、食事や入浴をするとだいたい23時になります。睡眠時間を確保するためなるべく早く就寝しなければならないとなれば、プライベートの時間はほとんどありません。
仕事で溜まったストレスを解消することはできないため、精神的な負担も日に日に増していくでしょう。
拘束時間が長くストレスが溜まりやすい
12時間労働は仕事環境に拘束される時間が多くなり、体を休める時間が少なくなります。拘束時間が長くなればストレスも溜まっていくでしょう。
このような状況下ではストレスを受け続けることになるため、身体的・精神的にも悪影響を与える恐れがあります。
12時間労働が続く弊害やデメリット
12時間労働が続く主な弊害やデメリットは次の通りです。
- 体調を崩すリスクが増加する
- 家族と過ごすなどプライベートの時間が減る
- 転職活動に時間を割けない
体調を崩すリスクが増加する
まず考えられるものは体調を崩すリスクが増加することです。長時間労働はストレスが溜まり、肉体的・精神的な負担が大きいことから健康面に影響が出るケースは少なくありません。
長時間労働下では、睡眠不足になりやすかったり、食生活も不規則になりやすいです。このような生活を続けていると、体調を崩すだけでなくいわゆる「過労死」のリスクが高まります。
一度体調を崩すと元の状態に戻るまでに時間がかかることもあるため、未然に防ぐようにしましょう。
家族と過ごすなどプライベートの時間が減る
12時間労働は労働時間に身支度や通勤の時間を合わせると、1日の大半を費やしていることになります。先程の通り、睡眠や食事など生活に必要な時間を差し引くと自由に使える時間はほとんど残らないでしょう。
結婚している人や子どもがいる人の場合、平日は家族と過ごす時間の確保が難しいです。さらに、ストレスフルな状態が続くことから家庭環境の悪化にも繋がりかねません。
転職活動に時間を割けない
冒頭の通り、毎日12時間労働が続いているということは、1日4時間の残業が発生しているということです。仮に定時が17時であったとしても、仕事が終わるのは21時になります。
このように1日の自由時間を確保できない状況であれば、会社を辞めて転職しようとしても転職活動に充てる時間を捻出できません。転職活動では自己分析・企業研究・エントリー・応募書類の作成といったようにさまざまな作業が発生します。
しかし、労働時間が長いとこれらの作業に充てる時間がないことから、会社を辞められず負のスパイラルに陥るのです。
12時間労働の環境下で働くメリット
12時間労働の環境下で働く主なメリットは次の通りです。
- 働いた分手取りが増える
- 仕事を覚える時間が増えスキルアップになる
働いた分手取りが増える
12時間労働により、通常より多くの賃金を稼げます。勤務時間によっては残業手当だけでなく、深夜勤務手当などが適用されるため収入は増えやすいです。
しかし、そもそも80時間の残業は違法なため、勤めている会社がブラック企業である可能性は高いです。その結果、サービス残業としてカウントされてしまう可能性があるため注意しなければなりません。
仕事を覚える時間が増えスキルアップになる
長時間労働により仕事に対する理解が深まったり、スキルが向上したりすることがあります。定時まで働いた場合は8時間であるため、12時間労働の人は1.5倍も多く働いていることになります。
つまり、残業が全くない人と比較すると1.5倍の経験を積んでいることになるため、業務内容や新しいスキルをより深く理解する機会が得られるでしょう。
12時間労働の仕事から抜け出すために必要なこと
12時間労働の仕事から抜け出すために必要なことは次の通りです。
- 上司にきついことを相談してみる
- 改善されない場合は退職・転職を考える
上司にきついことを相談してみる
労働時間が長くきついと感じる場合は上司や管理職に相談しましょう。基本的には12時間労働が続いている場合は労働基準法に違反している可能性が高いため、会社は改善に向けて対策しなければなりません。
また、自ら労働時間の調整や業務改善の提案を行い、負担を軽減するために行動すると良いでしょう。しかし、慢性的に長時間労働が根付いている場合は上層部が動かないことも考えられます。
改善されない場合は退職・転職を考える
長時間労働によって心身の負担が大きい場合は、手遅れになる前に退職・転職を検討しましょう。実際に、労働時間や労働環境が自分に合っていない場合は、転職により職場を変えることで解決へ向かえます。
12時間労働できつい会社の特徴
12時間労働できつい会社の主な特徴は次の通りです。
- 従業員が少なく業務量が多い
- 業務が属人化している
- 経営陣の考え方が古い
従業員が少なく業務量が多い
12時間労働が常習化している会社は、従業員数が少なく業務量が多いことが考えられます。このような状況では、一人当たりの業務量が増えるため残業をするしかなく、長時間労働になるのです。
近年では大手企業でも人手不足を課題に抱えているケースが多く、長時間労働になりやすいため注意が必要です。
業務が属人化している
特定の従業員のみが12時間労働となっている場合は、業務が属人化している可能性があります。属人化とは、特定の業務に関する手順や状況などの情報が作業担当者しか把握できていない状況です。
このように業務を任せられる人がいない状態では、その担当者の負担が大きくなり残業が増えてしまいます。他にも、能力の高い従業員にばかり仕事が集中してしまい、一部の人が残業をする環境である可能性も否めません。
経営陣の考え方が古い
長時間労働が慢性化し企業の文化として根付いている場合は、経営陣の考え方が古い可能性があります。ひと昔前であれば、長時間労働は「頑張っている証拠」として評価され美徳とされていました。
近年では働き方改革により長時間労働は減少傾向にありますが、未だに定着している企業は珍しくありません。
他にも、このような考え方の上司が遅くまで仕事をしていることにより、部下たちが帰りにくい雰囲気を作っていることも長時間労働が生まれる要因の一つになっています。
どうしても辞められないときは退職代行サービスを使う
どうしても自分で退職理由をいえないときは、代わりに会社を辞める旨を伝えてもらえる退職代行サービスの利用がおすすめです。退職代行サービスは、利用料金を支払うことで自分の代わりに退職の手続きを進めてもらえます。
ただし、退職代行のサービスや運営元によってサポートの内容が異なるため注意してください。例えば、民間企業が運営している退職代行は会社側と交渉できません。
労働組合と弁護士が運営する退職代行であれば、有給休暇の消化や未払いの賃金の支払いといった交渉が可能です。また、弁護士が提供するサービスであれば法的なトラブルに発展した際にも対応してもらえますが、料金は高額になります。
自分が求めているサポート内容と料金のバランスを考え、最適なサービスを選びましょう。
仕事がしんどいと感じた際におすすめの退職代行サービス
すぐに会社を辞めたいなら『リーガルジャパン』
- 労働組合が運営している退職代行サービス
- 24時間対応しておりLINEで気軽に相談できる
- 即日退職が可能で、退職後のサポートも提供
リーガルジャパンは労働組合である「日本労働産業ユニオン」が運営する退職代行サービスです。労働組合が運営しているため、会社側と交渉ができます。例えば、有給休暇の消化や未払いの給与の支払いといった内容で交渉したい場合に適しています。
相談には24時間対応しておりLINEでやり取りができるため気軽に連絡でき、辞めたいと思ったときは即日退職も可能です。
それ以外にも退職後のサポートが提供しており、万が一退職できなかった場合は全額返金保証もあるため安心です。
料金(税込) | 25,000円※別途労働組合加入費2,000円が必要 |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 日本労働産業ユニオン |
連絡がスムーズな『トリケシ(TORIKESHI)』
- 日本労働産業ユニオンが運営する退職代行サービス
- 即日退職に対応しており全額返金保障もある
- 退職実績は3,500件以上と豊富にある
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即日退職に対応し全額返金保障もあるため、安心して利用できる点が魅力です。また、弁護士監修のサービスである点も安心感があります。
退職実績は3,500件以上あり、実績は十分でしょう。他にも、有給休暇の取得サポートも提供しているなどメリットが多いです。
料金(税込) | 25,000円 |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 日本労働産業ユニオン |
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料金(税込) | 一律24,000円(キャンペーン価格一律22,000円・リピーター限定一律20,000円) |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 合同労働組合ユニオンネルサポート |
転職エージェントに登録して次に備えよう
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運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 48,855件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 全職種 |
種類 | 総合型 |
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運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 223,697件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 全職種 |
種類 | 総合型 |
12時間労働がきついときによくある質問
12時間労働は違法ですか?
一般的な職種の場合、労働基準法により1ヶ月の残業時間は45時間、年間で360時間と上限が決められています。12時間労働の場合は1日の残業時間が4時間となり、毎日発生すると月の残業時間は80時間となるため、法律の範囲をオーバーします。
1日何時間まで働いていいの?
仮に毎日残業が発生する場合で考えると、年間の残業時間の上限は360時間であるため、平均すると1ヶ月の残業時間は30時間となります。
1ヶ月の稼働日を20日とすると1日の残業時間は1.5時間となるため、法定時間である8時間と合わせると9.5時間が上限です。
まとめ
この記事では、毎日12時間労働はきついのかについて解説しました。基本的に毎日12時間労働が続いている場合は労働基準法を明らかに違反しているため、心身に悪影響を及ぼしやすいです。
実際に、体調を崩したり過労死したりするリスクが高いため、職場の業務改善を提案したり退職・転職を検討したりしましょう。どうしても辞められない場合は、退職代行サービスを利用するとスムーズに退職できる可能性が期待できます。
また、転職する際は自分に合った転職エージェントを活用してみてください。
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