放射線技師はやめとけと言われる理由は？働くメリット・やりがい・勤務先などを徹底解説！

医療関係の仕事に就きたいと考えているなかで、放射線技師に注目している人は多いのではないでしょうか。

テレビドラマでも取り上げられたこともあり、世間的にもフューチャーされているといっても過言ではありません。

しかし、「放射線技師はやめとけ」というネガティブな情報も目にします。なぜ、働くことを足止めするようなワードが出てくるのでしょうか。

そこで今回は、放射線技師はやめとけと言われる理由について解説していきます。また、放射線技師として働くメリット・やりがい・勤務先なども紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

放射線技師はやめとけと言われる理由

放射線技師はやめとけと言われる理由として、主に下記が挙げられます。

就職先が決して多いと言えないから

放射線技師はやめとけと言われる理由として、就職先が多くない点が挙げられます。放射線技師として自分は働ける準備が整っていても、勤務先がなければ先に進めません。

特に、都市部ではなく地方になると主な勤務先となる医療機関の数は決して多いと言えないため、就職先を探す際に困難となるでしょう。

また、医療機関が多くても求人自体の募集をしていないケースも考えられます。

激務だから

放射線技師は激務となる点も、やめとけと言われる理由です。主な業務はレントゲン・CTによる検査を担いますが、勤務している先によっては他業務を担当する可能性が否めません。

なお、レントゲンやCT以外に担当する可能性がある業務としては、放射線治療・超音波検査・MRIなどが挙げられます。

多くの業務を担当しなければならない場合は、状況によっては勤務時間中に休憩が取りづらい、休みづらいなどがあり得るでしょう。

そういった点も、放射線技師が激務と言われる所以です。勤務先を探す際は、事前に職場環境はしっかりとリサーチしておくことをおすすめします。

肉体的・精神的負担が大きいから

上記でも説明した通り、勤務先によっては休みが取りづらい状況になるため、肉体的負担が懸念されます。

大規模な医療機関は患者が多く忙しい、逆に小規模な医療機関は担当医が少ないため休めないなど、それぞれに課題を抱えているケースが珍しくありません。

また、医療に関わる仕事なだけに精神的負担も大きいと考えられます。医療ミスを起こすと、患者の人生を左右しかねません。

肉体的・精神的な両面の負担がのしかかる点は、放射線技師はやめとけと言われる理由に挙げられるでしょう。

周囲から反対の声が挙がるケースがあるから

放射線というワードが引っかかり、周囲から従事することを反対されるケースもあり得ます。要は、放射線技師として日々働くことで、被爆するリスクがあるのではと懸念の声が挙がるのです。

これに関して、放射線を浴びることは事実になります。しかし、ごく微量であること、機器の取り扱いやチェックにより影響がない程度に抑えられていることなどから安心して問題ありません。

やりがいを感じにくいから

放射線技師は訪れた患者のレントゲンやCTを撮影することが主です。そして、基本的にはルーティンワークとなるため日々同じような業務を繰り返すこととなります。

そのため、やりがいを感じにくい点はやめとけと言われる理由の一つです。医師の指示に従い動くことから、自分で何かを起こすといったケースはあまりありません。

単体で起業ができないから

医療関係の仕事に就いた人は、将来的に独立し起業を目指すケースが考えられます。独立をすることで収入アップが期待できるため、将来安泰といった人生を送ることも不可能ではありません。

その点、放射線技師は単体での企業はできない点がやめとけと言われる理由に挙げられます。基本的に放射線技師は医師の指示のもと動くため、独立は難しいのです。

放射線技師の年収

仕事選びをするにあたって、やはり年収は気になるところです。生活の基盤を築くために働くといっても過言ではないため、収入面はきちんと確認しておかなければいけません。

気になる放射線技師の給料は、厚生労働省によると下記の通り公表されています。

勤務歴	給料※（）内は年収
0年	227,400円（2,728,800円）
1年～4年	247,100円（2,965,200円）
5年～9年	298,400円（3,580,800円）
10年～14年	344,500円（4,134,000円）
15年以上	450,100円（5,401,200円）

国税庁による日本の平均年収は461万円※1と公表されているため、放射線技師として15年以上は勤めなければ平均以上とはならないことが分かります。

なお、求人ボックスによると平均年収は358万円と発表されていますが、給与幅としては最高1,459万円※2とのデータがあるため、勤務先や働き方によっては稼げる仕事と言えるでしょう。

いずれの金額もあくまで平均となり目安に過ぎないため、求人検索をする際は給与面をきちんとリサーチしておいてください。

※1：国税庁-平均給与

※2：求人ボックス給料ナビ-放射線技師の仕事の年収・時給・給料（求人統計データ）

やめとけと言われる放射線技師のやりがい

放射線技師はやめとけと言われるものの、主なやりがいとして下記が挙げられます。志そうと考えている人は、ぜひチェックしておいてください。

患者やその家族から感謝をされたとき

放射線技師は患者の検査に携わる職業です。医師の指示通りに動くとはいえ、放射線技師はいなければ見つけられない病気や怪我はほとんどといっても過言はありません。

そのため、検査の際に患者とコミュニケーションを交わしながら進めるなかで感謝されることがあります。それだけ重要な役割を担っていると実感できる瞬間と言えるでしょう。

また、検査を終えて治療に入っている段階でも、適時レントゲンやCTなどを撮影することは少なくないです。その際に患者が回復している姿を見られることも、喜び・やりがいに繋がります。

患者の家族から感謝されることもあるため、治療に関わり役に立てていると感じられると、これからの糧となるでしょう。

チームで挑む医療に貢献できたとき

放射線技師は医師や看護師などと連携し、患者の治療に携わります。放射線技師が撮影した画像の診断により、今後の医療方針が決まっていくことも珍しくありません。

そういった関係各所と連携を図り医療に貢献できたときは、やりがいを感じられる瞬間と言えます。医師・看護師と違い、放射線技師は患者と触れあうことがそう多くはありません。

しかし、チームで共に動き一人の患者を救おうとしていることは事実です。放射線技師が撮影した画像がなければ何も始められないといっても過言ではないため、重要な存在と言えます。

スキルアップを感じられたとき

放射線技師はレントゲンやCTなど画像の撮影が主な業務です。例えば、臓器を撮影するにしても患者の体勢次第で見え方が変わってくることも珍しくありません。

また、撮影に使用する機器の調整によっても画像は変わってくる可能性があります。つまり、放射線技師のスキル次第で患者を救える確率は各段に変わってくるといっても過言ではないのです。

医師が判断しやすい鮮明な画像を撮影できると、自身のスキルアップを実感できます。その継続により周囲から信頼され、スペシャリストと認知されると大きなやりがいに繋がるでしょう。

やめとけと言われる放射線技師になるメリット

やめとけと言われる放射線技師になるメリットとしては、主に下記が挙げられます。

肉体労働を避けられる

放射線技師の業務は肉体労働ではないため、体を動かす仕事を避けたい人にとってはメリットを感じられるでしょう。

医療機器を使用し室内で業務にあたるため、夏の暑い日や冬の寒い日なども関係ありません。むしろ、デスクワークに向かうことの方が少なくないでしょう。

勤務する場所によっては多少の重労働がある可能性はゼロではないものの、屋外で取り組む業務のようにハードな労働環境は避けられます。

健康に貢献できる

放射線技師として従事することは、患者の健康に貢献できます。医師の指示に応じてレントゲンやCTを撮影し、様々な病気や怪我の発見に繋げられるのです。

放射線技師が撮影した画像で重大な病気等を発見し、早期治療に移れたことで救われたというケースは少なくありません。

いくら名医と名を轟かせている医師でも、放射線技師による画像提供がなければ人体を蝕む病気を見つけられないことは大いにあり得ます。

それほどに、放射線技師の存在は医療現場において重要で欠かせないのです。

高いスキルを身に付けることで重宝される存在となる

放射線技師として高いスキルを身に付けることで、医療の世界で重宝される存在となります。つまりは、勤務先にてキャリアアップに繋げられる可能性が高いのです。

また、医療業界にて放射線技師として名を広めることで、様々な医療機関からスカウトのような形で声をかけてもらえるケースもあり得るでしょう。

そのようにして業界内で自分の市場価値を高めることで、キャリアアップと共に収入アップにも繋げられる場合があるのです。

パソコン操作スキルが向上する

放射線技師は医療機器だけでなく、デスクワークによりパソコンを使用することが少なくありません。そのため、パソコン操作スキルが向上する点もメリットに挙げられます。

また、レントゲン・CT・MRIといった医療機器は、操作するにあたりパソコン操作スキルが求められます。そのため、日々の業務に取り組んでいるなかで自然とスキルアップが期待できるのです。

放射線技師になる方法

放射線技師になるのは、厚生労働省の国家試験である「診療放射線技師免許」を取得しなければいけません。

受験するには高校卒業後に4年制大学または3年生短期大学の放射線科を卒業していること、もしくは診療放射線技師養成学校を終了していることが条件となります。

なお、診療放射線技師免許の合格率について、厚生労働省では下記の通り発表しています。令和5年2月16日に実施された標記試験の合格者数等になるため、チェックしておいてください。

対象	出願者数	受験者数	合格者数	合格率
全体	3,586人	3,224人	2,805人	87.0％
新卒者	3,203人	2,874人	2,704人	94.1％

合格基準は合計200点満点として、総得点が120点以上となります。また、0点の試験科目が1科目以下でなければいけません。

上記表の通り、合格率は全体が87.0％・新卒者が94.1％と高い数値を記録しています。このデータから見ると、決して診療放射線技師免許の取得は難しいとは限らないと言えるでしょう。

放射線技師の主な勤務先

放射線技師として勤務するにあたって、勤務場所にはどういったものがあるかは気になるところです。主に下記が挙げられるため、事前にチェックしておいてください。

大規模病院

総合病院・大学病院などの大規模な医療機関は、放射線技師の勤務先として代表的な場所です。

レントゲン・CT・MRIなどの医療機器をほぼ確実に置いているといっても過言ではないため、放射線技師の活躍の場と言えます。

大規模な病院は受け入れている患者数が多く症例も幅広いことから、放射線技師としての腕が問われる環境となります。それ故に、スキルが磨かれる場とも言えるでしょう。

クリニック

街中で多く見かけるクリニックも、放射線技師の勤務場所です。大規模な病院に比べて軽度な怪我や病気を担当するケースが少なくないでしょう。

基本的には日勤となるため、ワークライフバランスを取りやすい点は魅力です。仕事を一生懸命取り組むことはもちろん、プライベートを確保したい人に向いています。

医療機器メーカー

放射線技師は医療現場だけでなく、CT・MRIなどを開発・製造する医療機器メーカーで勤務する場合もあります。

医療機器メーカーに勤務した場合は、機器を納品する先となる病院などのスタッフに対し、使用方法の説明やアドバイスなどを実施することが主な役割です。

また、放射線技師がCTやMRIなどの医療機器開発に携わることも少なくありません。患者と関わることがないため、その点は一般的な認識とは大きく異なる部分と言えるでしょう。

放射線技師はやめとけに関するよくある質問

まとめ

この記事では、放射線技師はやめとけと言われる理由について解説したうえで、働くメリット・やりがい・勤務先などについても紹介しました。

放射線技師は就職先が決して多いとは言えない、激務、プレッシャーなど重圧に耐えることが大変などの理由から、やめとけと言われています。

しかし、放射線技師として働くことで健康に貢献できる点はメリットであり、やりがいに繋がる部分となります。

なお、主な勤務先としては大規模病院やクリニックなどの医療機関、そして医療機器メーカーなどが挙げられるため、ぜひ求人をチェックする際の参考にしてみてください。