国家一般職と聞くと安定した給料を受け取りながら働ける仕事という印象を抱きます。しかし、ネット上では国家一般職はやめとけという声が挙がっているのです。
日本において国家一般職は、ランク付けするとしたら上位に位置する仕事といっても過言ではありません。それにもかかわらず、なぜやめとけと言われているのか。
これから国家一般職を目指そうと考えている人にとっては、その真意は知っておきたいところです。そこで今回は、国家一般職はやめとけと言われる理由について解説します。
また、国家一般職の仕事一覧や務めるデメリット・メリットなどにも触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
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参考記事▶公務員への就職・転職が「やめとけ」と言われる理由は?後悔しないためのポイントも解説
国家一般職はやめとけと言われる理由
国家一般職はやめとけと言われる理由には、主に下記が挙げられます。
- 激務が想定されるから
- 決して年収が良いとは言えないから
- 試験の難易度が高いから
激務が想定されるから
国家一般職はやめとけと言われる代表的な理由に、激務が想定されるということが挙げられます。もちろん、採用される区分や働く場所により業務は変わるため、一概には言えません。
しかし、中央省庁にて勤務した場合は請け負う業務の規模が大きいうえ、激務と言われているのです。
国家一般職という肩書があるとはいえ、激務となれば毎日の出勤が億劫になりかねません。特に、残業が多いという声もある点には注意をした方が良いでしょう。
なお、主な勤務先としては中央省庁と地方出先機関が挙げられます。地方出先機関に比べ、中央省庁の方が業務量は多く激務となる傾向にあるようです。
決して年収が良いとは言えないから
国家一般職はやめとけとされる理由に、決して年収が良いとは言えないという声も挙がっています。
国家一般職に対しては、高い給与を受け取り安定した生活を送れるイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、内閣府が発表している令和2年度のモデル給与例は下記のようになっています。
モデル | 年齢 | 月額 | 年間給与 |
係員 | 25歳 | 193,900円 | 3,178,000円 |
係長 | 35歳 | 273,600円 | 4,544,000円 |
地方機関課長 | 50歳 | 413,200円 | 6,730,000円 |
本府省課長補佐 | 35歳 | 440,600円 | 7,314,000円 |
本府省課長 | 50歳 | 749,400円 | 12,659,000円 |
本府省局長 | – | 1,074,000円 | 17,804,000円 |
事務次官 | – | 1,410,000円 | 23,374,000円 |
係員の場合は年齢が25歳と若いものの、年収は3,178,000円となっており決して良いとは言えません。35歳で係長に位置しても、年収は4,544,000円です。
地方機関の課長となれば、50歳で年収は6,730,000円となります。地方機関の場合は、あまり高年収とはならない印象を受けるデータと言えるでしょう。
一方で、本府省課長補佐の場合は35歳で年収7,314,000円となり、本府省課長は50歳で年収が12,659,000円です。さらに、本府省局長で17,804,000円、事務次官は23,374,000円という結果になります。
公表されているモデル給与から推測するに、地方機関に勤務をした場合は決して高年収ではないと想定されることがわかります。
試験の難易度が高いから
国家一般職になるためには、試験を受けて合格しなければいけません。その試験の難易度が高い点も、国家一般職はやめとけと言われる理由です。
試験について、例えば大卒区分の場合は基礎能力試験として数的処理や文章理解といった一般知能分野、時事中心の一般知識分野があります。
さらに、専門試験として憲法・民法・政治学など全16科目から8科目を選択し、択一式で答える試験も一次に入ってくるのです。
なお、その他にも作文試験や二次試験には人物試験も実施されるため、簡単に突破できるものではないと言えるでしょう。
やめとけと言われる国家一般職の仕事一覧
国家一般職にはどういった仕事があるのか、これから目指そうと考えている人にとっては気になるところでしょう。主な仕事を一覧にまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
- 行政職
- 技術職(デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学)
行政職とは事務系職種のことです。そして、技術職はデジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学が該当します。
なお、大卒の場合は行政職と技術職であるデジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学を担当可能です。
しかし、高卒の場合は技術職でも農業・農業土木・林業を担当することになります。さらに、社会人の技術職は農業土木のみで、事務職は係長級採用枠が担当しています。
やめとけと言われる国家一般職の主な仕事内容
国家一般職は一部から「やめとけ」と言われるものの、国内における重要な機関で勤務できる点は魅力です。
主な勤務先は中央省庁と出先機関になります。なお、中央省庁は下記の1府12省庁に分かれており主に下記の業務を担当することになるため、確認・把握しておいてください。
1府12省庁 | 主な仕事内容 |
内閣府 | 内閣の重要政策に関する企画・立案及び総合調整、行政事務の処理などを担当 |
総務省 | 国家の基本的仕組みに関わる諸制度や国民の経済・社会活動を支える基本的システムを所管し、国民生活の基盤に関わる行政機能を担当 |
法務省 | 法令案及び条約等の審議事務や司法制度・内外の法制など調査研究に関する事務の他、民事や行政に関する争訟に関する事務・人権擁護に関する事務など法務全般を担当 |
外務省 | 日本の利益(国益)、環境問題をはじめ世界中の人々に関わる問題などを担当 |
財務省 | 財政の確保、課税の実現、税関業務の訂正な運営などを担当 |
文部科学省 | 教育、科学技術・学術、スポーツ、文化振興などを担当 |
厚生労働省 | 社会福祉、社会保障、公衆衛生及び労働者の働く環境整備、職業の確保に関する事務などを担当 |
農林水産省 | 食料の安定供給の確保、農林水産業の発展、農林漁業者の福祉増進、農山漁村及び中山間地域等の振興などを担当 |
経済産業省 | 民間の経済活力向上・対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済、及び産業の発展並びに鉱物資源・エネルギーの安定的かつ効率的な供給確保を担当 |
国土交通省 | 開発及び保全に向けた社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、観光立国の実現に向けた施策の推進などを担当 |
環境省 | 廃棄物対策、公害規制、自然環境保全、野生動植物保護などを自ら一元的に実施し、環境影響評価や環境基本計画などの政策も担当 |
防衛省 | 国民の生命・財産と日本の領土、領海、領空を守り抜くための取り組みなどを担当 |
上記の中央省庁は国家総合職となる人が基本的には従事しますが、国家一般職も例外ではありません。
本省での政策立案は国家総合職が主に担いますが、地方の出先機関・管区内の本局・事務局で政策執行役は国家一般職が担当することになります。
また、政策を進めるなかでの住民へのサポートや電話応対なども国家一般職の担当です。なお、出先機関として税関・労働局など地方機関での業務も国家一般職の役割となります。
やめとけと言われる国家一般職のデメリット
やめとけと言われる国家一般職のデメリットとして、主に下記が挙げられます。
- 年功序列が色濃い可能性がある
- 副業が認められていない
- クレーム対応でストレスが溜まりやすい
年功序列が色濃い可能性がある
国家一般職は公務員となるため、年功序列が色濃い可能性は否めません。つまり、若手社員は成果をあげても年齢・歴が上の人を超えることは難しいといっても過言ではないのです。
最近のベンチャー企業では若手社員でも成果をあげると評価され、若いうちから多くの収入を得られるケースが珍しくありません。
その点、国家一般職では年功序列により若いうちから突出することは難しいと言えます。
副業が認められていない
公務員は副業を原則禁止されています。そのため、本業以外で収入を得ることはできません。最近では副業を認める企業が多いなか、過去のしきたりが厳しい点はデメリットと言えるでしょう。
副業は収入アップを図れる点はもちろん、本業では経験できない業務を担当することによりスキルアップに繋がるというメリットがあります。
副業を念頭に仕事を選んでいる人にとって、国家一般職は不向きな職業です。
クレーム対応でストレスが溜まりやすい
国家一般職の業務は住民からの問い合わせや電話応対など、クレームに関するものが少なくありません。そのため、業務においてストレスが溜まりやすい点はデメリットに挙げられます。
もちろんクレーム対応は民間企業でもあり得るものですが、公務員という立場から国民からの当たりがきつくなる可能性は否めません。
やめとけと言われる国家一般職のメリット
やめとけと言われる国家一般職のメリットとして、主に下記が挙げられます。
- 国家・国民に貢献できる仕事に取り組める
- 福利厚生が充実している
- 労働環境が良い
- 総合職に比べて転勤は少ない
国家・国民に貢献できる仕事に取り組める
国家一般職の仕事は国のため、そして国民のためとなるものです。スケールの大きい業務に取り組める点は、公務員となる国家一般職に従事するメリットと言えます。
仕事に対するやりがいを感じられる部分は、国家一般職という公務員に従事するからこそです。
民間企業では採算性が難しく進められないプロジェクトでも、国民のためとなれば可能となるケースもあります。
福利厚生が充実している
国家一般職は公務員であるため、充実した福利厚生のもと働ける点はメリットです。仕事を選ぶうえで、安心して生活を送るために福利厚生を強く意識する人は少なくないでしょう。
国家一般職の場合は住居や通勤をはじめとする諸手当が充実しているほか、子育て・介護に関する制度も手厚くなっています。
福利厚生が充実していることで、長期に渡り働ける職業と言えるでしょう。
労働環境が良い
国家一般職は良い労働環境のもとで働ける点もメリットに挙げられます。例えば、定年は原則60歳となっており、身分は法律により保証されているため解雇は禁じられているのです。
そのため、所属する府省庁にはよるものの長きに渡り安定した環境下で働けます。また、定年後は再雇用制度があったり、退職期もしっかりと支給されたりする点も安心感に繋がる要素です。
そして、給与の安定性はもちろん労働時間についても魅力が詰まっています。休日は法律により定められており、原則1日の労働時間は7時間45分となっているのです。
さらに、土曜日・日曜日・祝日等カレンダー通りの休みとなります。休暇制度もきちんと敷かれているため、労働環境は非常に良いと言えるでしょう。
総合職に比べて転勤は少ない
国家一般職だけでなく、国家総合職という枠組みもあります。国家総合職の勤務先は主に東京霞が関の中央省庁ですが、地方への転勤となる可能性は高いです。
国家総合職は全国各地にて働くスタイルが珍しくないため、いわゆる転勤族となる可能性は否めません。その点、国家一般職は基本的に採用された地域内での勤務となります。
そのため、国家総合職に比べると転勤が少ないことから、居を構えやすいでしょう。家族がいる場合でも、安心して働ける点はメリットに挙げられます。
やめとけと言われる国家一般職に向いている人の特徴
やめとけと言われる国家一般職に向いている人の特徴として、主に下記が挙げられます。
- 安定性を第一に仕事を選びたい人
- 国のために働きたいという意欲がある人
- 勉強が苦ではない人
安定性を第一に仕事を選びたい人
国家一般職は公務員であるため、安定した給与・労働環境のもと働き続けられます。仕事選びをするうえで、とにかく安定性を第一にしたい人に向いている職種と言えるでしょう。
定年は原則60歳で、身分は法律により保証されており解雇は禁じられているなど、民間企業にはない点は国家一般職ならではです。
国のために働きたいという意欲がある人
国家一般職は日本のため、国民のために進める業務が多くを占めます。つまり、国に利益をもたらしたいという意欲を持って働きたい人に向いている仕事と言えるでしょう。
スケールの大きい業務に取り組むことから、民間企業よりも重圧はのしかかるかもしれません。しかし、その分だけやりがいを感じられるとも言えます。
社会に貢献したい、正義感・使命感が強いという人は、国家一般職の業務内容をチェックしてみてください。
勉強が苦ではない人
国家一般職として業務に従事するにあたり、専門性のあるものに取り組むことが少なくありません。法律をはじめ、理解に苦しむ文章に触れる機会は頻繁にあるでしょう。
つまり、業務を遂行するにあたり日々の勉強は欠かせません。国家一般職に従事するうえで、向上心を持ち学習に取り組める人は向いていると言えます。
国民からの問い合わせやクレーム対応なども業務としてあるため、きちんと理解を求められるよう応対するには豊富な知識を有することは欠かせません。
国家一般職はやめとけに関するよくある質問
求められる能力は?
国家一般職は様々な政策を運用していく役割を担うため、特定分野に関する知識や的確な事務処理能力は欠かせません。
また、国民からの問い合わせやクレーム対応なども業務に含まれることから、コミュニケーション能力も必須と言えるでしょう。
国のために取り組む業務が多いことから、幅広い人との連携が出てくる可能性があります。そういった観点からも、円滑なやり取りができるようコミュニケーション能力は重要視されるでしょう。
勝ち組と言える?
国家一般職に従事できている人は、勝ち組と言っても間違いではありません。公務員ということから安定した給料を手に入れられる点は、勝ち組となる要素です。
そして、身分は法律により保証されていることから解雇は禁じられている点も、安定性という面から見て勝ち組と言えます。
また、国や国民のために進める政策が多いことも、仕事に対するやりがいを感じられるため勝ち組といっても過言ではありません。
まとめ
この記事では、国家一般職はやめとけと言われる理由について解説し、そして国家一般職の仕事一覧や務めるデメリット・メリットなども紹介しました。
激務が想定されることや決して年収が良くないこと、試験の難易度が高いことなどから、ネット上ではやめとけという声が挙げられています。
また、年功序列が色濃く若い人が頭角を現すことが難しい、公務員であるため副業が認められていないなどのデメリットも、やめとけと言われる所以です。
一方で、国家や国民に貢献できる点から業務にやりがいを感じられる、労働環境が良いなどのメリットもあります。
国家一般職を志している人はどういった仕事があるか、そして勤めることでの悪い面・良い面それぞれを把握しておいてください。
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