「給料下がったけど転職して良かった」と感じる理由とは？転職する際のポイントも解説

現在の職場に不満があったり何か課題を感じていたりする場合は、転職によって解決できることがあります。場合によっては転職により給料が下がることもあるでしょう。

しかし、転職の目的は人それぞれで収入よりも条件を重視する人は少なくありません。そのような人であれば「給料下がったけど転職して良かった」と感じるでしょう。

転職を検討している人であれば、なぜ良かったと感じるのか理由を知りたいところです。そこで今回は、「給料下がったけど転職して良かった」と感じる理由を紹介します。

転職する際のポイントにも触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。

「給料下がったけど転職して良かった」と感じる理由

「給料下がったけど転職して良かった」と感じる主な理由は次の通りです。

福利厚生や職場環境が改善される

企業によって給料の水準が異なるように、福利厚生や会社の制度などにも違いがあります。そのため、転職により給料が下がったとしても福利厚生が充実した企業に入社することで「転職して良かった」と感じる人がいます。

例えば、給料が3万円下がったとしても5万円分の住宅補助が出る会社に転職することで、2万円のプラスになるでしょう。他にも、職場環境が改善されることで良かったと感じる人も少なくありません。

今までの職場が有給休暇を取得しにくかったりパワハラ体質であったりすると、転職の結果に納得しやすいです。

仕事のやりがいや充実感が高まる

給料が下がったとしても、転職により仕事のやりがいや充実感が高まることで良かったと思う人もいます。例えば、給料が高くとも心身に負担がかかるものや、好きではない・やりがいを感じない仕事をしていることに悩む人はいるでしょう。

このような悩みを抱えている人は、充実感が高い仕事に移ることで給料が下がっても転職して良かったと感じやすいです。特に、新卒採用で第一志望の職種に就けなかった人が転職により再チャレンジに成功するケースは珍しくありません。

新しいスキルを身に付けられる・向上が見込める

転職によって給料が下がったとしても、新しい業界・企業に入ることで今までにないスキルを身につけられるチャンスがあります。既に身につけているスキルを高めることも見込めるでしょう。

例えば、同じ業界でも職場によって扱うスキルや頻度は異なります。自分が習得したスキルを磨くことを目的に転職したのであれば、多少給料が下がったとしても納得できるでしょう。

他にも将来のキャリアアップのために、一時的に給料は下がったとしてもスキルを身につける目的で転職する人も珍しくありません。

業界の知識や理解が深まる

給料が下がったとしても業界の知識・理解が深まることで、転職して良かったと感じる人も多いです。例えば、同じ業界でも別の業種に転職をすることにより、今までと視点が変わり理解が深まるケースは少なくありません。

他にも、就職活動の際に第一志望の業界に落ちてしまったものの、転職で再チャレンジしたことで入社できると新しい業界の知識・理解を深められるでしょう。もともと興味がある業界に移ることで「転職して良かった」と思う人もいます。

生涯年収で考えると給料アップが見込める

同じ業界・業種に転職をしても、入社後しばらくは年収が下がるケースは少なくありません。実際に、中途採用であったとしても入社後は研修を受けるなど本格的な業務を開始するまでに猶予を設けており、その期間中は給料が下がる傾向にあります。

また、転職により新しいスキルを身につけたり伸ばしたりすることで、将来的なキャリアアップ・収入アップが期待できるケースも多いです。

残業時間が少なくなりプライベートの時間が増える

企業によっては給与水準が高くとも激務で残業・休日出勤が多く、プライベートの時間を確保しづらいことがあります。働く先を選ぶうえで、ワークライフバランスを重視し仕事以外の時間を大切にしたいと考える人は少なくありません。

このような人であれば、プライベートの時間を確保するために転職を決意することもあるでしょう。その結果、給料が下がっても目的を達成しているため満足感を得られるのです

「転職して良かった」と感じられない失敗例

「転職して良かった」と感じられない主な失敗例は次の通りです。

給料面以外の職場環境が悪化する

一般的に転職後に給料が上がると「転職に成功した」と感じる人は多いでしょう。しかし、場合によっては給料は上がってもそれ以外の要素が悪化してしまい後悔するケースが存在します。

例えば、額面の給料が上がったとしても、それ以上に労働時間が長くなったり職場の雰囲気が悪かったりします。実際にブラック企業に転職してしまう人もいるでしょう。

このように転職後に労働時間が増えることで、プライベートの時間を確保できず後悔する人もいます。

新しい会社の評価が下がる

転職により給料が上がったとしても、新しい会社では今までよりも評価されないケースはよくあります。これは、収入が上がったことにより新しい職場で求められるスキル・能力のハードルが高くなるためです。

職場での評価が低い状態が続くと、せっかく転職して希望の職種に就いても短期間で異動を命じられる可能性があるでしょう。

年収維持・スキルアップができない

転職をすることで給料が上がったとしてもその他の条件面に満足できず、再度職場を変えようとする人は珍しくありません。

このように転職を繰り返す人は短期間で会社を辞めることになるため、一つの企業で得られる評価が低くなり、結果として年収の維持が難しくなります。また、十分な経験を積まずに転職をするためスキルアップも望めません。

転職先の希望条件を全て満たす求人は稀なため、ある程度の妥協点を見つける必要があります。

給料が下がる可能性がある転職を成功させるポイント

給料が下がる可能性がある転職を成功させる主なポイントは次の通りです。

給料を下げてまで転職する理由を明確にする

転職活動を進めていると、自身の希望を叶えると給料が下がる可能性に気づく場合があります。特に転職エージェントなどのサービスを利用していると、アドバイザーから「年収が下がります」といわれることがあるでしょう。

給料が下がっても転職したいと考える場合は、収入面以上に重視している条件があることと同じです。転職で後悔しないためにも「給料を下げてまで転職する理由」を明確にしましょう。

目的を見失わずに転職活動に励む

転職活動を進めていると、給料が上がる求人を見つけたり紹介されたりします。しかし、このようなときでも当初の目的を見失わず転職活動に励みましょう。

その理由は、給料が良い企業に転職してもそれ以外の条件が悪く、入社後に後悔する可能性があるためです。まずは、転職する目的や希望する条件の優先順位を明確に決めましょう。

実際に自分で求人を探す際や転職エージェントと面談をするときは、この優先順位をもとに応募するかを判断すると転職に失敗しにくくなります。

スカウトがあっても辞退するという選択肢を忘れない

転職サイトや転職エージェントを利用していると、企業側からスカウトが届くケースがあります。

その際に、いくら給料が良い場合でも自身が希望する条件を満たしていないのであれば辞退しましょう。もちろん、「せっかく声をかけてくれたのに」と思う人は少なくありません。

しかし、優先順位が高い希望条件を満たしていない企業へ転職をしても、入社後に後悔する可能性は高いため「断る」という選択肢を強く意識すべきです。

転職後のキャリアプランを明確にする

給料が下がることを覚悟して転職活動に臨む場合、その後のキャリアプランを明確に描くことが重要です。給料が下がる転職のその後の選択肢は次の2つです。

• 収入は下がったままでも、基本的にはその会社で働き続けキャリアアップを目指す
• 収入の低下は一時的なもので、スキルアップして再度給料アップの転職に挑戦する

前者の場合は会社の将来性なども重要な判断材料になるため、条件はよりシビアになるでしょう。後者の場合は、転職後に得られるスキルや経験を考慮し、その後のプランも考えなければなりません。

また、転職をする際は希望するスキルや経験を得られるかどうかを重視しましょう。

転職先にメリットがない可能性も考慮する

現在、何か問題・課題を抱えている場合、転職により解決する可能性があります。しかし、転職をすれば必ず解決・改善されるわけではない点には注意してください。

実際に、給料が下がっただけでなく他の条件面も悪化するケースは珍しくありません。また、転職者のPRポイントが魅力的なものでなければ、ステップアップに繋がる転職の実現は難しいです。

このように、転職先にメリットがない可能性も考慮した上で求人・企業を選びましょう。

年収低下の許容範囲を決めておく

給料が下がる覚悟をした上で転職活動に臨む場合は、その下げ幅の許容範囲を事前に決めましょう。例えば、給料以外の全ての条件が良い場合でも、生活に支障が出るほど収入が減ることは問題です。

特に既婚者で家庭を築いている人は転職が家族に大きな影響を及ぼしかねないため、事前に年収低下の許容範囲を決めることで納得のいく求人を選びやすくなります。また、転職エージェントを利用する際は担当のキャリアアドバイザーにその旨を伝えると良いでしょう。

給料が下がる可能性がある転職のデメリット

給料が下がる可能性がある転職の主なデメリットは次の通りです。

生活水準が低下

給料が下がる最大のデメリットは「生活水準の低下」です。転職により給料が下がると今までと同じように生活を送ることはできません。

仮に今までと同じ生活ができたとしても、貯蓄できる金額は少なくなるでしょう。そのため、転職で収入が減っても貯蓄をしたい場合は節約などで支出を減らす努力が必要になります。

将来設計を見直す必要がある

給料が減ることにより生活水準が下がるだけでなく、貯蓄の金額にも影響します。その結果、将来設計を見直す必要性に迫られるでしょう。

一般的に人生の三大資金といわれる住宅資金・教育資金・老後資金は、その後のライフイベントに大きく関わってきます。収入が低下することでこれらの資金を十分に確保できず、結婚などが難しくなる可能性を忘れてはなりません。

家族に影響することがある

既に結婚をして家族がいる場合は、より収入低下の影響を受けることになります。生活水準を下げることに対し本人は「我慢できる」と思っていても、家族はどのように感じるかは分からないでしょう。

また、自分のライフプランには影響しない場合でも、パートナーの将来設計が狂う可能性があるため十分に注意しなければなりません。

将来的な転職で給料交渉が難しくなる

転職では入社前に年収の交渉をするケースがありますが、そのときに現在の収入が大きな判断材料になります。現在の年収が高ければ、現状維持や多少の増加が期待できるでしょう。

しかし、一度給料が下がると次回以降の転職の収入を決定する基準も低下します。その結果、それ以降の転職で年収の交渉が難しくなるのです。

仕事へのモチベーションに影響する

仕事の評価は収入に反映されるケースが多く、働く上でのモチベーションに繋がっています。

そのため、転職により給料が下がると、それに比例して仕事へのモチベーションも低下しやすいです。仕事に向かう気持ちが悪くなることにより、発揮できるパフォーマンスも下がり評価も受けられないといった負のスパイラルに陥る可能性はゼロではありません。

転職で給料が下がった場合の対処法

転職で給料が下がった場合の主な対処法は次の通りです。

福利厚生などの制度を十分に活用する

転職で給料が下がってしまった場合でも、会社の福利厚生や制度をフル活用することでマイナス分を補填できるケースがあります。例えば、住宅補助や指定の施設の利用割引制度などを設けている企業は少なくありません。

これらの制度を利用することにより、給料が下がったとしてもお得になるケースがあるため、どのようなものがあるかを事前に調べておきましょう。

支出を減らすために工夫する

給料が下がり収支のバランスが悪くなったときは、普段の生活の中で実践できる節約術を試し支出を極力減らせるように工夫しましょう。

普段の生活の中で抑えやすく、金額が大きくなりやすいものに外食費と固定費と挙げられます。例えば、リモートワークに変更することで外食の回数を減らせる、格安SIMを活用すると固定の通信費を抑えやすいです。

残業・休日出勤などで収入を増やす

転職後に給料が大幅に下がり生活に支障が出るような場合は、残業や休日出勤を可能な限り活用し収入を増やす方法があります。ただし、現在では労働環境を改善しようと残業を減らそうとする企業が増えているため注意してください。

副業を行う

給料が下がった分を補填するために、可能であれば副業を始めてみましょう。平日の仕事が終わった後の時間や、休みの日を使って取り組めるものは少なくありません。

副業の種類によっては軌道に乗るまでに時間を要することもありますが、働いた分だけ収入になるものもあるため自分に合ったものを探してみましょう。

昇進・昇給を目指す

評価の体制が整っている企業に転職をした場合、その職場で努力し昇進・昇給を目指すことも選択肢の一つです。

例えば、資格手当がある企業であれば取得に向けて努力をすることで収入を上げやすく、さらには業務の役に立ち評価にも繋がりやすいです。インセンティブがある職種であれば、頑張った分だけ収入を増やしやすいでしょう。

転職で収入を上げる方法

転職で収入を上げる主な方法は次の通りです。

自身の市場価値を把握する

まずは、自分の転職市場における価値を把握することで、転職活動の方針を決めやすくなります。スカウトが活発な転職サービスに登録し、魅力伝えられるようプロフィール欄を埋めましょう。

スカウトが届いた際は、その求人の内容を確認することで市場価値を把握できます。仮にスカウトが届かない場合は市場価値が低いことを意味するため、十分な戦力を練った上で転職活動に臨みましょう。

転職エージェントを活用し交渉してもらう

転職をする際は無料で利用でき、求人紹介などのサポートを受けられる転職エージェントへの登録がおすすめです。

転職エージェントを利用すると効率良く転職活動を進められるだけでなく、内定を獲得した後の入社日調整や年収交渉を代行してくれるものが多いです。

プロのアドバイザーに代行してもらうと成功率が高いことから、転職先との年収交渉に自信がない人でも納得いく結果が期待できるでしょう。

転職する際におすすめの転職エージェント

給料が下がったけど転職して良かった場合のよくある質問

年収ダウンの許容範囲はどれくらい？

年収ダウンの許容範囲は人によってさまざまです。「年間の収支が赤字にならない程度」としている場合や、「10％ダウンは問題」という人もいます。

もちろん生活に支障が出るほど給料が下がることは問題であるため、まずは月々の支出を明確にし、そこから逆算をして必要な収入を割り出しましょう。

失敗する可能性は何割くらい？

厚生労働省の調査である「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職先の職場における満足度の中で「不満足」と回答した人の割合は11.4％です。つまり、10人に1人以上は転職に後悔しており、失敗したと感じています。

しかし、転職先の満足度は人によって感じ方がまちまちです。職場の人間関係などは実際に働いてみないと分からないため、失敗を防ぐことは難しいでしょう。

その中で、自身の希望を明確にするなど成功するポイントを押さえることで、失敗する可能性を低くできる場合があるのです。

年収交渉はどのくらいできる？

一般的に転職時の年収交渉は現在の年収のプラス20％が上限であり、提示された月収の1万円から2万円アップを交渉することが多いです。ただし、あくまでも一般的な相場であるため、入社する企業や転職者の能力によって交渉可能な範囲は変わります。

まとめ

この記事では、「給料下がったけど転職して良かった」と感じる理由を紹介しました。収入面以外に重視する希望条件がある人は、労働環境が改善されたりやりがいがある仕事に就けたりすることで満足感を得られる傾向にあります。

また、給料が上がったとしても他の条件面が悪化してしまい後悔する人は少なくありません。転職を検討する際は、まず希望する条件を明確にしてください。その上で転職に成功するためのポイントを押さえ、自分に合った求人を見つけてみましょう。