もとの会社に出戻り転職すると後悔する？その理由や失敗する人の特徴を紹介！

一度退職した会社へ再び転職することを「出戻り転職」と呼びます。会社を辞めて転職しても、入社した職場に合わず「元の会社に戻りたい」と考える人は少なくありません。

しかし、出戻り転職にはさまざまなデメリットがあるため後悔する人は多いです。自身が描いているキャリアプランを実現するためにも、出戻り転職の特徴について押さえましょう。

そこで今回は、もとの会社に出戻り転職すると後悔する理由について解説します。あわせて出戻り転職に失敗する人の特徴も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

会社出戻りに関する実態

元の会社への出戻りを考えている人は、まず職場の人が出戻り転職についてどのように考えているのかを押さえましょう。ここからは会社の出戻りに関する実態を紹介します。

人事部門のイメージは良くない

出戻り転職は人事担当者によっては「イメージが良くない」と感じるケースもあります。出戻り転職の場合も一般的な転職と同じフローを辿るため、人事担当者が採否を決めています。

そのため、人事部が否定的な意見を持つ場合は採用されにくいでしょう。その理由は、一度退職していることから「また辞めてしまうのでは」と不信感を持たれているためです。

マイナビ転職エージェントサーチの調査結果によると、人事担当者によって次のように意見が良いものと悪いものに分けられます。

良い意見	・本人と会社、お互いに利益になるのであれば問題ない ・優秀で実力があれば受け入れる ・他社での経験を生かして頑張ってほしい
悪い意見	・自社でずっと頑張っている社員に示しがつかないので受け入れない ・イメージはあまりよくない ・ありえないし、信用できない、勝手な話だと呆れる

社員からの反発など企業にとってデメリットになる可能性も

出戻り転職についてマイナスな意見を持っているのは人事部門だけでなく、入社後に同じ職場で働く従業員も同じです。先程と同様に、マイナビ転職エージェントサーチによると、次のように意見が分かれています。

良い意見	・快く受け入れられていた ・以前と変わらない態度で接している ・戻ってきてくれたことで業務がスムーズになり、周囲に感謝されている ・そもそも、周りの反応が冷たくなるような人物は出戻りを認めない
悪い意見	・出戻り直後は周囲が冷ややかだった ・あまりよく思われていない ・多数から反感を買ってしまい、今後の出戻り転職受け入れに対するハードルが上がった

企業の中には、復帰後に職場に悪影響がある人の手戻り転職を認めていないこともあり、より入社のハードルは高くなるでしょう。また、社員からの反感・反発が生まれるなど企業にとってデメリットになるケースもあります。

会社の出戻りに後悔する主な理由

会社の出戻り転職は失敗するケースが少なくないため、入社後に後悔する人が一定数存在します。なお、入社後に後悔すると早期退職に繋がり、再び転職活動を始めなければなりません。

会社に出戻りしたときに後悔する主な理由は次の通りです。

前職に戻るのは気まずい

会社を円満に退職し出戻り転職を歓迎されたとしても、一度辞めた会社に戻ることは「気まずい」と感じるケースは少なくありません。

実際に、会社に不満があり退職したのにもかかわらず、「やっぱりもう一度働きたい」という申し出は自分勝手であり、都合が良すぎると感じるためです。

出戻り転職を歓迎されたとしても、中には否定的な意見を持つ人もいるため厳しい対応を受ける覚悟は必要です。また、転職活動が上手くいかない場合でも、一度不満を感じた会社に戻る人は多くありません。

そのため、場合によっては「常識知らず」と言われるなど恥ずかしい思いをするケースもあるでしょう。これらのことから、周囲からの理解を得られるまでに時間がかかる場合があります。

転職に失敗したと思われる

出戻り転職は選考時の面接だけでなく、入社後もさまざまな社員から「なぜ？」と思われるでしょう。直接聞かれないとしても「転職に失敗した」と思われる可能性は高いです。

もちろん出戻り転職には転職に失敗しただけではなく、転職活動に励んだ結果、元の職場が一番良いという決断に至ることもあるでしょう。

しかし、同じ職場の人は詳しい事情を知らないことがほとんどであるため、「転職に失敗したから元の職場に甘えている」と感じる人はゼロではありません。

出戻りを歓迎しない人もいる

人事の担当者と同じように、職場の社員の中にも出戻り転職を歓迎しない人がいる可能性はあります。自分は円満退職だったと思っても、仕事の引き継ぎが大変だった後任者であれば、特に出戻りに対して不満を感じやすいです。

また、一度は退職したにもかかわらず、以前と同じように後輩と接することで反感を買うケースも珍しくありません。

このように、今の職場で働いている人の気持ちへの配慮が足りないと、人間関係が悪化し後悔することになりかねないのです。

元の業務に戻れなかった

出戻り転職に成功したとしても、以前と同じ仕事やポジションに就けるとは限りません。企業側としても、一度辞めた人に重要な仕事を任せることはリスクが高いと判断します。

そのため、しっかりと仕事を任せられるようになる信用を回復するまでに期間がかかることに注意してください。場合によっては、転職してからしばらくは新人と同じ雑務を任される可能性もあります。

また、以前と同じようなポジションや仕事ではなくなるため年収も下がる傾向にあり、退職したことを後悔する人は少なくありません。

以前よりも雇用条件が悪化する

出戻り転職によって再雇用される際に、以前よりも雇用条件が変わることも珍しくありません。

先程のように、ポジション・給与・業務内容が変わるケースは多く、場合によっては勤務形態・勤務時間などにも変化が出ることもあります。

これは会社側としても一度辞めた社員の再雇用には早期退職などのリスクがあり、採用後も慎重に扱わなければならないためです。

希望していないポストへの配属でなければ転職できないケースもあるため、後悔する人は少なくありません。

職場に馴染めずに精神的な負担が大きくなる

職場が出戻り転職を歓迎しない雰囲気である場合、人間関係で悩むことにより精神的な負担が大きくなるケースがあります。

実際に、辞め方が悪かったり繁忙期に辞めたりすることで、裏切り者のように思われる可能性は否めません。

もちろん、最適なタイミングで引き継ぎに問題がなく、万全の体制で退職した場合であればスムーズに戻れることもあるでしょう。

しかし、ここまでの説明の通り出戻り転職にネガティブな意見を持つ人は少なからずいるため、職場で浮いた存在になり人間関係を理由に早期退職する場合があり得るのです。

出戻り転職を成功させる人の特徴

出戻り転職に成功し、後悔せず元の会社で活躍する人もいます。出戻り転職を成功させる人の主な特徴は次の通りです。

以前の仕事で会社に貢献していた

以前の仕事で会社に貢献していた人であれば、出戻り転職で歓迎される可能性はあります。例えば、営業部門で売上に大きく貢献した人や、開発部門でヒット商品を企画した人などです。

他にも、社内ルールや職場環境の改善に尽力した人なども当てはまるでしょう。このような人が退職することは企業にとって大きな痛手となるため、出戻り転職は受け入れられやすいです。

また、他の会社で結果を残した場合でも、実績を評価されて歓迎されることも少なくありません。

円満に退職した

出戻り転職の成功には、以前の職場を円満に退職しているかが重要な要素となります。引き継ぎ内容が完璧であり、会社や職場に迷惑をかけずに辞めていれば、出戻りも前向きに捉えられやすいです。

このように円満退職した状態であれば、職場の人たちとの人間関係を良好に保ちやすく入社後もすぐに馴染めるでしょう。

その一方で、退職時に会社側とトラブルになったり、自分勝手な理由で辞めていたりすると出戻り転職は失敗しやすいです。

退社後も良好な関係を築けている

勤めていた職場を退職すると、その時点で同僚との縁を切り、以降は連絡を一切取らない人は少なくありません。

しかし、円満退職でありその後も連絡を取り合うなど良好な人間関係を築けていると、出戻り転職後も職場に馴染みやすいでしょう。

場合によっては出戻りした後に歓迎され、仕事に慣れるまでサポートしてくれるケースも珍しくありません。

また、密に連絡を取り合うと「人材不足で困っている」といった企業の近況を知り、適切なタイミングで転職活動を進められることもあります。

上司や役員から出戻りを提案されている

出戻り転職が最も受け入れやすいケースは、元の職場の上司・役員から出戻りを提案されている場合です。

ここまでの説明の通り、円満退職で連絡を取り続けていることが前提ですが、実績を出し続けていると、「戻ってこないか」と声をかけられる場合があります。

もちろん稀なケースではありますが、上司・役員の太鼓判が捺されていることにより、出戻り転職に説得力が生まれ職場の人にも納得してもらいやすいです。

会社出戻りで失敗する人の特徴

出戻り転職を検討している場合、どのような人が失敗するのか特徴を押さえましょう。ここからは、会社出戻りで失敗する人の特徴を紹介します。

元の職場の人間関係に問題がある

元の職場の社員との人間関係に問題がある場合は、出戻りの採用試験に合格しても馴染みにくいため失敗する可能性が高いです。このような場合は、入社しても早期退職に至りやすいです。

仮に、会社側が設ける採用基準を満たしていても、元職場の社員のネガティブな意見により不採用になるケースもあるでしょう。

「今まで自社で頑張ってきた社員に示しがつかない」と考える人もおり、内定獲得自体が難しく元の会社へ出戻れないことも少なくありません。

勤続年数が短い

元々の職場での勤続年数が短い人も、会社の出戻りに失敗しやすいです。勤続年数が短い人の場合、職場の人間関係・信頼関係が構築できておらず、またすぐに辞めてしまうと思われやすいです。

また、短い期間では会社への貢献度も低いと判断されるため、企業としても採用するメリットはあまりないといえるでしょう。

このように、勤続年数が短い人はマイナスな印象を持たれやすいため、会社の出戻りに失敗しやすいです。

退職時にトラブルが起きた

退職時にトラブルを起こしたり職場と揉めたりした場合、会社に出戻りは歓迎されません。このケースでは人間関係が悪く、企業や社員からの印象は悪いでしょう。

出戻り転職を考えるときは、次のようなことがなかったかを確認してください。

会社に出戻り転職した際のメリット

会社に出戻り転職をして後悔する人はいますが、中にはメリットを感じ活躍する人もいます。ここからは、会社に出戻り転職した際の主なメリットを紹介します。

即戦力として活躍できる可能性がある

元職場の同僚や上司に出戻りを提案されて転職した場合、即戦力として活躍できる可能性があります。この場合、以前と同様の業務内容を任せられるケースが多く、短期間で仕事に慣れるでしょう。

今までの経験を活かしやすく会社からも期待されていることから、日々の仕事も充実しやすいです。企業側としても研修・教育コストを削減でき、人材不足をカバーできるためメリットがあります。

ただし、会社に出戻る場合は一度辞めている分、一般的な新入社員よりも評価が厳しくなる傾向にあるため、期待に応えられるように努力しなければなりません。

仕事を一から覚える必要はない

新しい職場へ転職する場合、仕事を一から覚える必要があるため苦労する人は多いです。その点、出戻り転職で元の職場に配属されると、既に経験している仕事であるため、一から覚える必要はありません。

もちろん、少なからずブランクがあり仕事勘を取り戻すために、ある程度時間はかかるでしょう。一度経験している仕事であれば、未経験の新人よりも短時間で仕事を覚えられます。

ただし、会社を離れている間に社内のルールや仕事の進め方が変わっていることもあるため注意してください。

出戻り転職を成功させるためのポイント

出戻り転職を成功させるための主なポイントは次の通りです。

前提として円満退職をしている

まず、出戻り転職を成功させるためには、前提として円満退職をしている必要があります。何かトラブルやわだかまりを残した状態で退職している場合は、出戻り転職に失敗する可能性が高いです。

もし以前の退職に問題がある心当たりがある人は、会社への出戻りは諦めた方が良いでしょう。

もちろん、人材不足などの理由により採用される可能性はゼロではありませんが、入社後に良好な人間関係を構築できず後悔する可能性は高いです。

また、以前と同じように働ける確証はない点にも注意しなければなりません。

退職後も前の会社と繋がりを持つ

以前の会社を円満退職しており、その会社の同僚や上司と良好な繋がりを持つことにより、出戻り転職が成功しやすくなります。

前の職場との繋がりを活かすことで転職に有益な情報を入手でき、適切なタイミングで中途採用の選考に臨めます。また、元の職場への復帰を打診される可能性はゼロではありません。

今までの繋がりを断ってしまうと、このようなチャンスを失ってしまうため注意してください。

退職した会社の不満は言わない

会社に出戻りたいと考えている場合、転職先の会社に何かしら不満を感じていても面接などでは言わないようにしましょう。

例えば、「転職先の仕事の進め方は自分に合わなかった」などと不満を伝えることにより、同様の理由で再度退職すると思われかねません。

ただし、出戻り転職では必ずと言っていいほど転職を決意した理由を聞かれるため、ネガティブな内容はポジティブな伝え方に変換しましょう。

先程の例でいえば「転職先も経験しましたが、こちらの仕事の方が自分に適していると改めて感じました。」などにすると、与える印象は良くなります。

職場の変化には柔軟に対応する

元の会社に出戻れた場合でも、その後の仕事や人間関係に躓いて早期退職に至る人もいます。出戻り転職した後は、仕事や人間関係など職場の変化にも柔軟に対応する必要があります。

実際に転職先で働いていた期間分のブランクが生まれ、その間に社員や社内ルールに変化が出る可能性があるため、出戻りした際に戸惑うこともあるでしょう。

このような変化があることを覚悟しておき、モチベーションの維持に励む必要があります。

後悔する出戻り転職よりも再転職がおすすめ

ここまでの説明の通り出戻り転職は後悔するリスクが大きいため、不安がある人は他の会社への再転職を考えましょう。ここからは、再転職を成功させるためのポイントを紹介します。

自己分析を徹底する

今働いている会社を辞めて転職を検討する際には、まず自己分析を徹底しましょう。前の会社を辞めて転職を繰り返す場合、自分の希望ややりたいことが明確になっていない可能性が高いです。

自己分析が不足している状態で転職活動を進めた場合でも内定を獲得できることもありますが、企業とのミスマッチから不満が生まれてしまい退職に至るのです。

自己分析を徹底し自分の強みや希望を明らかにした状態で転職活動に臨むことで、今までよりも自分に合った会社を見つけやすくなります。

転職エージェントを活用する

転職で失敗したくない人は、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは無料で利用でき、自己分析の手伝いから求人の紹介、応募書類の添削、面接対策などのサポートを受けられます。

一人で転職活動に臨むと視野が狭くなりやすいですが、転職のプロの力を借りることにより、自分では気付かない強み、やりたいものが見えてきます。

担当のキャリアアドバイザーとよく相談し、転職活動を進めることで企業とのミスマッチを防ぎ、理想の転職を実現しやすくなるでしょう。

もとの会社に出戻り転職する際のよくある質問

まとめ

この記事では、もとの会社に出戻り転職すると後悔する理由について解説しました。出戻り転職のパターンによるものの、出戻りは歓迎されないことが多いです。

「今まで自社で頑張ってきた社員に示しがつかない」と考える企業が多く、入社できても以前と同じポジションや雇用条件で働けるとは限りません。

しかし、円満退職しており同僚や上司と継続した繋がりがあれば、復帰を誘ってもらったり入社後もサポートを受けられたりします。

出戻りに不安を感じている人は、転職エージェントを利用し理想の職場への再転職を目指すと良いでしょう。