IT業界の営業職がやめとけと言われる理由とは？求められるスキルについても解説！

現在ではAI・IoTを始めとするIT技術が世界的にも進歩しており、業界全体のニーズが高まっています。しかし、IT業界の営業職はハードな側面もあるため「やめとけ」と言われることが少なくありません。

そこで今回は、IT業界の営業職を目指している人が「やめとけ」と言われる理由を解説します。営業職になるメリットや求められるスキルについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

IT業界の営業職がやめとけと言われる理由

IT業界はニーズが高まっており将来性が期待できるため人気がありますが、その一方で営業職に就くことに対して「やめとけ」と声を挙げる人もいます。

ここからは、営業職へ進みたいと考えている人が知っておくべき、就職・転職は「やめとけ」と言われている理由について解説していきます。

業界全体の動きが早く、IT関連の知識を覚えるのが大変

IT業界は世界的にも発展が著しく常に新しい情報や技術が登場しているため、「知識の習得に苦労する」と感じる人は少なくありません。

一つの分野だけでも営業に求められる情報は膨大になるでしょう。勤める企業や扱う商品・サービスに関する知識はもちろん、関連している分野の情報も必要になります。

また、常に最新の情報を身に付けなければクライアントに対し効果的な提案ができないため、普段から意識的に勉強を進めなければなりません。

IT関連の知識がある人でも苦労しますが、未経験者であれば尚更難易度は高くなるでしょう。

差別化・新しさがない商材である可能性がある

近年ではIT技術の発展に伴いニーズが高まっており、それに比例して商品・サービスを提供する企業も増加しています。そのため、自社のものが差別化・新しさがない商材である可能性は否めません。

自社製品に特別な要素がなければ商談で競合に勝つポイントが限定され、顧客に自社製品の優れている点の説明が難しくなるため、顧客獲得に苦労する可能性が高いです。

競合商品が多い市場であればさらに難易度は高まり、結果を出し続けるためには高い営業力を身に付けなければなりません。

未経験から業界に飛び込んだ人であれば、スキルを身に付けるまでに時間がかかるため、「やめとけ」という意見に繋がっています。

事務作業などによる残業が多い

IT営業では顧客先を訪問し商談・契約するだけでなく、見積書・契約書作成などの事務作業もこなさなければなりません。営業活動で結果を出すほど、これらの事務作業が増え残業が多くなります。

他にも、IT業界の特徴として顧客に合わせてシステムを構築するケースが多いことから、営業担当者だけでなくエンジニアとともに商談を進めるケースも珍しくありません。

これは顧客の要望・注文の実現可否はエンジニアでなければ分からないことが多いためです。また、システムの導入後のサポートはカスタマー部門が担当するため、適切に連携しなければなりません。

このように、他部署との連携も必要になり営業担当者だけでは見積書を作成できないケースも多く、善行が増えることから「やめとけ」という意見に繋がっています。

顧客と開発の板挟みになる

IT営業は顧客に合わせてシステムを構築する特性があるため、営業だけではなく開発の意見も取り入れなければなりません。顧客の要望の実現には、開発を含めた費用を算出する必要があります。

一般的に顧客は費用を抑えつつ有効な機能を求めており、営業担当者は成約という結果を望んでいるため、要望は極力実現したいと考えるでしょう。

しかし、開発部門の立場からすると機能の追加には相応の費用や工期が必要になるため、顧客へ予算の増額やスケジュールの延長を求めます。

顧客と開発の両者の板挟みになり意見をまとめなければならないため、ストレスを抱える営業担当者は少なくありません。

緊急対応が発生する可能性がある

IT業界の営業担当者になると、業種によっては緊急対応が発生する可能性があります。主にシステム障害やセキュリティ問題などが発生した際、営業担当者には迅速な対応が求められます。

特に顧客先にとって重要なシステムが停止すると大きな損害に繋がるため、可及的速やかに対応し解決しなければなりません。担当の顧客先が多いほど、対応が求められる確率は高まるでしょう。

これらの緊急対応はプライベートの時間や深夜など関係なく発生するため、肉体的・精神的にきついと言われています。

ノルマが厳しい傾向にある

IT業界の営業に就職した場合、企業によっては厳しいノルマを課せられる可能性があります。先程の通り、IT営業は他部署との連携が求められるため、合意・成約までに時間がかかる傾向にあるのです。

競合他社が多いことから営業活動の難易度も高いですが、成果がなければ企業は成り立たないため、一般的に担当者にはノルマが課せられます。

特にベンチャー企業や零細企業などであれば経営が不安定である傾向が多く、存続するためには厳しいノルマをクリアしなければなりません。

そのためには普段から知識を増やし、普段の営業活動に尽力しなければならず「きつい」と感じる人が多いことから、「やめとけ」という声が挙がるのです。

AIによって仕事が奪われる可能性がある

IT業界の営業はAIに将来仕事が奪われる可能性がある職業の一つです。現在でも、営業活動の一部であり前段階であるマーケティング・広告はAIにより最適化・自動化されつつあります。

これらのAI技術の発達によって顧客は最適な情報を収集できるため、IT企業は効率良く確度が高い顧客へのアプローチが可能です。その結果、営業担当者が案内せずとも売上を作れます。

顧客の要望を聞いて開発部門に依頼するだけの営業担当者は不要となり、潜在的なニーズを汲み取る・最適な提案ができるといった営業担当者だけが求められるようになります。

これらのことから、IT業界の営業担当者に求められるスキル・能力は高まり、さらに難易度は上がるため「やめとけ」という声が挙がるのです。

IT業界の営業職のメリット

「IT業界の営業はやめとけ」という声がある一方で、メリットを感じる意見があることも事実です。ここからは、IT業界の営業職に関するメリットについて解説します。

実績が評価されやすく高収入を狙える

IT業界の営業職は成約件数を増やすなど成果を出した分評価されるため、高収入を狙いやすいです。自社の商材やサービスの内容にもよりますが、1件の成約による売上が大きい傾向にあります。

例えば、大規模なシステム構築案件であれば一度に数億円単位、。サブスクリプション形式であれば、継続的な利益が見込めるのです。

真面目に取り組み実績を上げることで、昇給だけでなく昇進に繋がるケースも珍しくありません。これらから、営業スキルに自信があり収入アップを希望する人に適した業界と言えます。

プログラミングのスキルは不要である

IT業界に就職するうえで「プログラミングができなければならない」とイメージする人は少なくないでしょう。しかし、営業職であればプログラミングのスキルは不要です。

もちろんプログラミングのスキルを持っていることで、より説得力があるプレゼン・案内ができるといったメリットはあるものの、就職に必須な項目ではないです。

そのため、IT業界が未経験でも就職・転職できる可能性はあり、入社後もプログラミングスキルを習得する必要はありません。ただし、その分商品やサービスの知識は身に付ける必要があるため注意してください。

将来性・需要がある知識が身に付く

IT業界は今後も発展しニーズが高まると期待されているため、営業職に就くことで関連する知識を身に付けられます。需要の高いIT知識を身に付けることで、将来的にも転職などで役に立ちます。

特に営業職であれば顧客との関わりが少なくないため、さまざまな企業が抱えている課題や関心、現状などを把握できるでしょう。これは実際に現場で働いた人にしか分からない知識であり、転職市場における価値は高いです。

ITに関する豊富な知識があると今後も成長を続けるIT業界の動向を把握でき、将来的にも市場で生き残りやすいです。

IT業界の営業に向いてる人の特徴

IT業界の営業に対し否定的な意見が存在しますが、それは適性がない人による部分も否めません。これからIT業界の営業を目指す人は、自分が向いているのかを把握する必要があるでしょう。

ここからは、IT業界の営業に向いている人の特徴を紹介します。

IT技術・業界に興味がある人

IT業界の営業職は覚えることが多いため、技術や業界の動向への関心が高い人の方が向いています。その一方で、興味がない人は仕事に必要なことであっても勉強が苦痛になるでしょう。

現在では、IT技術を使ったさまざまな技術が登場しており、専門的な勉強をしていなくとも関心がある人であれば詳細をイメージしやすく習得も早いです。

コミュニケーションスキルがある人

営業はIT業界に関わらず顧客とのやり取りによって成立しているため、優れたコミュニケーションスキルを有する人に向いています。顧客にとって分かりやすく説明し、メリットを感じてもらうことで成約に繋がりやすくなるのです。

IT業界の営業職でも顧客はその分野に詳しいとは限りません。そのような人が相手のときでも分かりにくい専門用語を用いるのではなく、平易な言葉で分かりやすく説明するスキルが必要です。

また、IT営業は顧客だけでなく開発部門の技術者とも円滑にやり取りしなければならないため、高いレベルのコミュニケーションスキルが求められます。

ビジネスに関心がある人

ITシステムの大半は現状のビジネスの課題を解決し効率化することが目的です。例えば、近年関心が高まっているDXは、IT技術の導入によりビジネスに革新をもたらすものです。

このようにITシステムとビジネスは密接な関係にあるため、IT技術だけではなくビジネスに関心がある人もIT営業に向いているでしょう。これらの関心が高い人であれば、顧客にとって最適な提案が可能です。

IT営業に求められるスキル

IT営業として結果を出したいと考えている人は次のスキルを身に付けましょう。

ここからは、それぞれについて詳しく紹介します。

プレゼンテーション能力

IT業界だけでなく営業職であれば高いプレゼンテーション能力が求められます。自社製品・サービスの優れている点や競合他社より魅力的なポイント、欠点もふまえて説明しなければなりません。

また、相手が納得するだけの根拠や質問に対しての返答も準備する必要があります。商談は知識を披露する場ではなく、相手に魅力を感じてもらい成約に繋げることが目的です。

そのため、話している言葉だけでなく姿勢や表情、用意する資料の内容などさまざまな要素が求められます。相手によって提案方法を変えるなど、状況に応じて臨機応援に対応する能力が必要です。

ヒアリング力

商談では自分が一方的に話すのではなく、相手の話を聞く必要があります。むしろ相手の話しを聞くことで抱えている課題や要望などを情報収集できるため、最適な提案に繋がると言っても過言ではありません。

また、相手が気付いていない潜在的なニーズを引き出すことも重要であり、課題を話してもらいそれに対して適切に対応することで信頼関係を構築できるでしょう。

ただし、営業の成果に繋がる要素のヒアリングは簡単ではありません。例えば、印象が悪い人に自社の情報を話す顧客は少ないでしょう。

相手と良好な関係を築きヒアリングしやすい環境を作るためにも、アポイントを取る段階から注意しなければなりません。

問題解決能力

IT業界の中でも扱う商材が多い場合は、問題解決能力も問われます。顧客から抱えている課題・問題をヒアリングし最適なサービスを提案しますが、それには問題解決能力がなければ成立しません。

提案した解決策に納得してもらわないと成約には至らないため、プレゼンテーション能力も合わせて必要です。このように、IT営業ではヒアリング力とプレゼンテーション能力の根幹として問題解決能力が求められます。

IT全般に関する知識

IT営業では自社製品に留まらずIT全般に関する知識が求められます。もちろん自社が扱う商材に関する知識がなければ適切な提案は実現しません。

しかし、それだけでなく競合他社の情報やIT業界全体の動向も把握しなければ、顧客との会話は滞る可能性があります。IT業界に対して関心や知識がないと判断されると、信頼関係は築けないでしょう。

「ITについて詳しい」と認識されると相手に信頼してもらえるため、何か要望があるときに頼ってもらえやすいです。また、適切な知識があると相手からの要望に対し、実装の有無や予算などを判断しやすくなります。

IT業界で営業から転職するのにおすすめの職種

IT業界の営業として働いており「きつい」と感じている人は、培ったスキルを活かし他の職種に転職することも選択肢の一つです。ここからは、IT業界で営業から転職するうえでおすすめの職種を紹介します。

Webマーケター

Webマーケターは自社サイトやSNS、メールマガジンなどを活用し、顧客を獲得するためのマーケティング全般を担う職種です。IT業界では自社サイトへの問い合わせから成約に至るケースは少なくありません。

現在ではインターネットが発展・普及しており、何か課題を感じている人はWeb上で情報を収集するため、自社サイトへの流入を増やすように対策しなければなりません。

Webマーケターは潜在的な顧客が訪問しやすいコンテンツを作成し、アクセス数を増やすために戦略を立案します。

そのため、Webマーケターとして活躍するためには、アクセス数を増やすSEO対策関連の知識が求められます。

ITエンジニア

エンジニアもIT業界の中で人気・ニーズがある職種の一つです。現在ではIT人材不足が国内で深刻な問題となっており、スキル・知識があれば転職しやすい職種でもあります。

エンジニアとしての経験がない場合は求められている能力を身に付ける必要がありますが、それらは独学やスクールに通うことで習得可能です。

また、営業として経験を積んでいる人であれば、顧客が抱えている課題や潜在的なニーズを把握しているため新商品の開発に活かせるでしょう。

ただし、商品・サービスのジャンルによって必要なプログラミング言語は異なるため、転職を検討している人はまず「何を開発したいか」を明確にしてください。

今まで営業職として経験した分野であれば、新しく習得する知識量は未経験のジャンルよりも少なくなるためおすすめです。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーとは、システムを開発するプロジェクトをまとめるリーダーのことです。技術者としての開発経験が求められるため、短期間でなれる職種ではありませんが段階を踏んで目指してみると良いでしょう。

プロジェクトの企画からスケジュールの調整、人材・予算の確保、進捗管理といった責任者として重要な役割を担うため、IT業界における職種の中でも特に年収が高い傾向にあります。

技術者としての知識・経験だけでなく、チームをまとめる力や社内で企画を通すプレゼンテーション能力が求められるため、営業経験が活躍しやすい職種です。

ITエンジニアと同様に人材不足であり需要が高いため、転職におすすめの職種と言えます。

IT業界への転職におすすめのサービス

レバテックキャリア

レバテックキャリアはレバテック株式会社が運営する、正社員向けの転職サービスです。IT・Web業界に特化しており、業界を知り尽くしたアドバイザーによるサポートを受けられます。

年間7,000回も企業へヒアリングを実施し、収集した現場のリアルな情報を共有してもらえるため、入社後のミスマッチが発生しにくいです。

アドバイザーはIT業界のトレンド技術や会社のニーズを把握しており、効果的な面接対策を受けられるため高い内定率を実現しています。

運営会社	レバテック株式会社
公開求人数（2023年6月10日時点）	21,928件
対応地域	全国
職種	IT系・クリエイティブ系
種類	IT・Web業界特化

Geekly

Geeklyは株式会社Geeklyが提供するIT業界に特化した転職エージェントであり、求人数や知見の多さが強みです。業界や職種を絞り込むことで密度が高い情報を保有しており、効果的なサポートを提供します。

マッチングの精度が優れており書類選考の突破率が高いため、効率良く転職活動を進められるでしょう。過去に面接で出た質問内容まで共有されるため、効果的な面接対策を受けられます。

運営会社	株式会社Geekly
公開求人数（2023年6月10日時点）	18,770件
対応地域	全国
職種	IT系・クリエイティブ系
種類	IT・Web・ゲーム業界特化

マイナビITエージェント

マイナビITエージェントは株式会社マイナビが提供しているIT業界に特化した転職エージェントです。IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいアドバイザーが在籍し、経験・スキルに応じた最適な求人を紹介してくれます。

マイナビITエージェントでしか取り扱っていない企業もあり、登録することでサイト上に掲載されていない非公開求人と出会える可能性があります。

志望先に合わせて応募書類の書き方のアドバイスや面接対策を受けられるため、初めての転職で不安を抱えている人でも安心して利用できるでしょう。

運営会社	株式会社マイナビ
公開求人数（2023年6月10日時点）	9,667件
対応地域	全国
職種	IT業界全般
種類	IT業界に特化

IT業界の営業に関するよくある質問

まとめ

この記事では、IT業界の営業職を目指している人が「やめとけ」と言われる理由を解説しました。IT営業は常に勉強を続けて新しい知識を習得しなければならず、入社する企業によっては差別化できず営業の難易度が高いケースが多いです。

他にも事務作業による残業が多い点も、マイナスな意見が多い要因の一つです。しかし、プログラミングスキルがなくてもIT業界に入ることができ、実績が評価されやすい点がメリットです。

IT営業は人によって合う・合わないが大きく出る職種であるため、自身の適性を見極めて仕事を選びましょう。