看護師が転職したとき、1ヶ月という短期間で辞めてしまうことは珍しくありません。適切な手続きを取っていれば、たとえ1ヶ月で辞めたとしても法律上の問題はありません。
しかし、周囲からの印象は悪くなり仕事が長続きしないといったデメリットもあるため、後悔する人は少なくないです。転職してから日が浅い場合で退職を考えている人は、本当に辞めた方が良いのか、判断基準を設けると良いでしょう。
そこで今回は、転職した看護師が1ヶ月で辞めた方が良い場合を紹介します。退職をして後悔する理由やデメリットについても触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
転職1ヶ月目の看護師でも辞めることを考えた方が良いケース
転職1ヶ月目の看護師でも、辞めることを考えた方が良い主なケースは次の通りです。
- パワハラ・セクハラを受けている
- 人間関係に大きな問題を抱えている
- 応募時に確認した待遇と大きく異なる
- 職場が原因で体調を崩した
パワハラ・セクハラを受けている
パワハラやセクハラを受けたら1ヶ月目でも辞めた方が良いでしょう。これらの被害を受けていると精神的に大きな負荷がかかり、集中力が落ちて重大なミスにつながる可能性があります。
複数の診療科がある病院であれば異動願を出すことで回避できますが、そうでないケースは少なくありません。また、病院側に報告をしても状況が改善しない場合は、大きなトラブルへ発展する前に辞めた方が無難です。
人間関係に大きな問題を抱えている
職場の人間関係が悪く精神的に追い詰められている場合、すぐに辞めた方が賢明と言えます。一例として酷いいじめに遭っている場合は退職を検討した方が良いでしょう。
他の看護師から無視をされる、物を隠される、誤った報告をされるなどの嫌がらせを受けていると、ストレスがかかりすぎて働けなくなることがあります。
実際に、いじめが原因で人間不信になったり心の病気になったりするケースもあるため、手遅れになる前に辞めた方が良いです。
応募時に確認した待遇と大きく異なる
転職をする際、採用前の面接等で確認した待遇と入社後の内容が大きく異なる場合も辞めた方が良いでしょう。その理由は、このような病院はブラックである可能性が高いためです。
例えば、実際に入社をすると交通費や手当が出なかったり、残業代が申請できなかったりする場合などが該当します。ブラックな職場で働き続けると不満がたまる一方で将来性にも期待ができないため、早期の退職がおすすめです。
職場が原因で体調を崩した
出勤ができないほど心や身体の調子を崩した場合は、1ヶ月目でも退職をしましょう。これは、そのまま働き続けても改善しにくく、うつ病などの重い病気になるリスクがあるためです。
例えば、長期の療養が必要になればその病院を辞めた後でも働けず、生活できなくなる恐れがあります。
転職した看護師が1ヶ月で辞めて後悔する主な退職理由
転職した看護師が1ヶ月で辞めて後悔する主な退職理由は次の通りです。
- チームになじめない・職場に合わない
- 仕事が覚えられない
- 採用前に聞いた待遇と違う
チームになじめない・職場に合わない
転職後、新しい看護師チームに馴染めないことを理由に辞めたい場合は、退職を考え直すと良いでしょう。実際に、入社してから1ヶ月の時期は、自分だけでなく周囲の同僚もまだ様子を見ている状態がほとんどだからです。
特に転職した直後は分からないことが多く、先輩看護師に質問するケースは多いでしょう。しかし、相手の状況を考えていなかったり、職場のルールを無視していたりすれば、「面倒な人」と思われてしまう可能性があります。
最初からすべてを把握できないと認識し、少しずつ慣れていくことを意識しましょう。
仕事が覚えられない
なかなか仕事が覚えられずに辞めようか迷っている場合も、もう少し様子をみましょう。転職して1ヶ月目であれば、まだ職場に慣れていない人が多いです。
このような状態で「新しい病院のやり方は自分に合わない」「本当は看護師に向いてない」と判断するのは早いためです。また、仕事が覚えられないからといって退職をすると、次の職場でも同様の悩みを抱えることになりかねません。
新しい環境に慣れるまでには気力や体力をいつも以上に使うため、前職のときと同じように仕事をこなせないケースはよくあることです。
採用前に聞いた待遇と違う
例えば、「残業なし」と面接では聞いていたのにも関わらず実際は残業をしている人が多いなど、採用前に確認した待遇と実態が異なるケースがあります。しかし、何も確認せずにすぐ退職を決意するのは早いでしょう。
場合によっては軽微であったり、季節性によるものであったりすることがあります。また、職場での仕事のやり方を少し変えるだけで解決することもあります。
自分の力ではどうしようもできないことでなければ退職を考えるのは早計であり、後悔する可能性があるため注意してください。
看護師が転職後すぐに辞めるデメリット
看護師が転職後すぐに辞める主なデメリットは次の通りです。
- 短期間でも履歴書に記載しなければならない
- 面接で忍耐力がないと思われることがある
- 辞め癖がついてしまう場合がある
短期間でも履歴書に記載しなければならない
看護師が転職をする場合、基本的に全ての経歴を履歴書や職務経歴書などの応募書類に記載します。そのため、1つの職場に対する在籍期間が1ヶ月だけと、あまりにも短いと採用担当者にマイナスな印象を与える可能性があるのです。
また、「1ヶ月だけだから書かなくても良いだろう」と経歴を正しく書かずに提出すると、経歴詐称につながる恐れがあるため注意しなければなりません。
面接で忍耐力がないと思われることがある
転職後すぐ辞める看護師に対して、「忍耐力がない」と判断する採用担当者は少なくありません。実際に人材採用にコストがかかるため、極力長く働ける人を採用したいと考えています。
そのため、経歴からすぐ辞める可能性があることが分かると、採用の候補から外される可能性が高くなります。
辞め癖がついてしまう場合がある
転職後すぐに退職をすると、辞め癖がついてしまう場合があります。もしどの職場も長続きせず看護師としてのスキルが身につかないまま転職をすると、年齢に相応しい能力が身につきません。
その結果、入職後に思うような活躍ができず辞めたいと感じるようになりかねないのです。また、転職を繰り返した結果、退職に慣れてしまい当たり前の行動になってしまうことも珍しくありません。
看護師を1ヶ月で辞める際の注意点・ポイント
看護師を1ヶ月で辞める際の主な注意点・ポイントは次の通りです。
- 転職先を見つけてから退職する
- 面接では正直に話す
- 看護師に特化した転職サービスを活用する
転職先を見つけてから退職する
まず、退職理由が体調不良である場合を除き、在職中に次の職場を見つけ内定を獲得するのが無難です。
実際に、退職後に転職活動を始めると収入が絶たれて経済的に余裕がなくなってしまい、焦りから希望に合わない転職先を決め後悔するケースはよくあります。
在職中の転職活動を進め、次の職場を決めれば収入がなくなることはないため、余裕を持って転職活動を進められるでしょう。
面接では正直に話す
1ヶ月だけで辞めてしまった場合に経歴のハンディキャップをカバーしたいと思っても、面接や応募書類などで嘘をついたり現職の悪口を言ったりすることは避けるべきです。
もちろん、パワハラ・セクハラなどの違法行為があれば伝えても問題ありません。しかし、例え事実でも悪口を含む退職理由や志望動機は採用担当者に良い印象を与えません。
看護師に特化した転職サービスを活用する
看護師を1ヶ月で辞めて転職を考えるのであれば、看護師に特化した転職サービスを活用しましょう。これらのサービスでは看護師として転職する際に有効な情報が豊富に掲載されており、同じ失敗を防ぎやすくなります。
また、転職サイトはそれぞれ独自の求人を持っているため、複数のサイトに登録すると幅広い求人情報を収集でき良い職場を見つけやすいです。
看護師が転職失敗を繰り返さないようにするための対策
看護師が転職失敗を繰り返さないようにするための主な対策は次の通りです。
- 退職する理由を明確にする
- 転職先の希望条件を明確にし優先順位を決める
- 自分にできること・できないことを伝える
- 自分に合った転職エージェントを利用する
退職する理由を明確にする
転職を繰り返さないためには、まず退職理由を明確にしましょう。退職の原因となった問題を解決できず別の職場に移ってしまうと、再び短期間で離職することになりかねません。
同じ理由で転職を繰り返さないためにも「なぜ辞めたいのか」をはっきりさせ、その問題を解決できる転職先を探しましょう。
転職先の希望条件を明確にし優先順位を決める
転職で後悔しないためには、転職で叶えたい希望の優先順位を決めましょう。例えば、「キャリアプランを実現したい」「収入を増やしたい」といった希望を全て実現できる病院を探すとなると、転職活動が難航する可能性が高くなります。
その結果、なかなか転職先が決まらず焦ってしまい、ミスマッチな病院に入社してしまうことになりかねません。
自分にできること・できないことを伝える
希望しない部署に配属されないためにも、面接などの選考では自分が看護師としてできることとできないことを採用担当者に伝えましょう。
できること・できないことについて触れられないまま採用されると、前職までの所属部署や経験年数のイメージのみで判断され、自分に合わない仕事を任せられるケースが懸念されます。
このようなミスマッチが起きると再び1ヶ月で退職する事態になりかねないため、面接の段階で担当者としっかり話しましょう。
自分に合った転職エージェントを利用する
効率良く転職活動を進めたい場合は、自分に合った転職エージェントを活用しましょう。看護師専門・看護業界に特化した転職エージェントを利用することにより、適切な職場を見つけやすくなります。
転職エージェントであれば希望を伝えることで適した求人を紹介してもらえるだけでなく、応募書類の添削や面接のアドバイスなどを受けられます。
特に、過去の転職がうまくいかなかったという人におすすめで、利用するサービスによっては職場の雰囲気などを知ることができるため入社後にギャップを感じにくいでしょう。
どうしても辞められないときは退職代行サービスを使う
どうしても自分で退職理由をいえない、辞めにくい、引き止めに遭っているなどの場合は、代わりに会社を辞める旨を伝えてもらえる退職代行サービスの利用がおすすめです。
看護師の職場は人手不足なことが多く、辞めにくい雰囲気であるケースは少なくありません。そのようなときに退職代行サービスを利用すると、料金を支払えば自分の代わりに退職の手続きを進めてもらえます。
ただし、退職代行サービスの種類や運営元によってサポートの内容が異なるため注意が必要です。例えば、民間企業が運営している退職代行は会社側と交渉できないため、労働組合と弁護士が運営する退職代行を利用しましょう。
仕事がしんどいと感じた際におすすめの退職代行サービス
すぐに会社を辞めたいなら『リーガルジャパン』
- 労働組合の日本労働産業ユニオンが運営している退職代行サービス
- 24時間いつでも対応しておりLINEで気軽に相談できる
- 即日退職を実現でき退職後のサポートも充実
リーガルジャパンは労働組合である「日本労働産業ユニオン」が運営する退職代行サービスです。相談には24時間対応しておりLINEでもやり取り可能なため、辞めたいと思ったときに連絡をすれば即日退職も実現できるでしょう。また、労働組合が運営していることから、会社側との交渉にも対応しています。
さらに、退職後のサポートも提供しているため利用者にとって安心感があります。
料金(税込) | 25,000円※別途労働組合加入費2,000円が必要 |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 日本労働産業ユニオン |
連絡がスムーズな『トリケシ(TORIKESHI)』
- 日本労働産業ユニオンが運営する退職代行サービス
- 即日退職も可能で、失敗した場合は全額返金保障もある
- 退職実績は3,500件以上と充実している
TORIKESHIも労働組合である「日本労働産業ユニオン」が運営する退職代行サービスです。トリケシもLINEを使って連絡・相談ができるため、担当者へスムーズに依頼できるでしょう。
即日退職に対応しているだけでなく、全額返金保障もあるため安心感があります。さらに、弁護士監修のサービスであり退職実績は3,500件以上ある点も魅力です。
料金(税込) | 25,000円 |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 日本労働産業ユニオン |
料金を極力抑えたい人におすすめの『退職代行ネルサポ』
- 合同労働組合のユニオンネルサポートが運営している弁護士監修の退職代行サービス
- 一律22,000円(税込)で比較的安価で利用できる
- 退職成功率は100%と実績は十分にあり安心感がある
ネルサポ退職代行サービスは「合同労働組合ユニオンネルサポート」が運営している退職代行サービスです。弁護士が監修しているだけでなく、労働組合が運営しているため会社と交渉できます。
有給休暇が残っている人だけでなく、現在はキャンペーン価格として一律22,000円(税込)で利用できるため、安く利用したい人にもおすすめです。退職成功率は100%であるため実績も十分です。
料金(税込) | 一律24,000円(キャンペーン価格一律22,000円・リピーター限定一律20,000円) |
最短即日対応の可否 | 可能 |
対応地域 | 全国 |
運営元 | 合同労働組合ユニオンネルサポート |
転職エージェントに登録して次に備えよう
退職を検討している際には、同時に転職エージェントへ登録しましょう。先程の通り、さまざまなサポートを受けられるうえ利用料はかからないため、情報収集の意味でも登録を進めるのがおすすめです。
看護師が転職する際におすすめの転職エージェント
求人数が豊富な『リクルートエージェント』
- さまざまな転職エージェントの中でも求人数が圧倒的に多い
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚く初めてでも安心
- 転職活動に役立つコンテンツが充実している
リクルートエージェントは株式会社リクルートが提供するサービスです。転職エージェントの中でも求人数が多く、希望条件に合った案件を見つけやすいです。
担当のキャリアアドバイザーのサポートは手厚く、しっかりと対策した上で書類選考や面接に臨めます。サポートが充実していることから、転職が初めての人でも安心です。
リクルートエージェントの公式サイトでは転職に役立つコンテンツを豊富に取り揃えているため、隙間時間に情報収集が捗ります。
運営会社 | 株式会社リクルート |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 362,921件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 全職種 |
種類 | 総合型 |
利用者に適したサポートを受けられる『マイナビAGENT』
- 転職回数・利用者の年代に合ったサポートを受けられる
- 希望の業界事情に詳しいアドバイザーが在籍している
- 2023年オリコン満足度調査で第1位を獲得している
マイナビAGENTは株式会社マイナビが提供している転職エージェントです。利用者の転職回数・年代に適したサポートを提供していることから、幅広い世代に支持されています。
キャリアアドバイザーから効果的なアドバイスを受けられるため、選考を突破しやすく内定を獲得しやすいです。求人数も豊富にあり希望条件に合致した求人を見つけられるでしょう。
他にも、採用事情に詳しいアドバイザーが在籍しており、相談することで悩みを解決しやすいです。さらに、2023年の「オリコン満足度調査」の転職エージェント部門では、総合ランキング第1位を獲得しているほど実績は十分にあります。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 48,855件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 全職種 |
種類 | 総合型 |
自分のペースで転職するなら『doda』
- 転職エージェントとだが自分でも求人の検索・応募できる
- エージェントサービスを利用するとサポートを受けられる
- スカウトサービスも活発で自分の市場価値を把握できる
dodaはパーソルキャリア株式会社が運営する転職エージェントです。一般的な転職エージェントと異なり、求人を検索・応募できるため、自分のペースで転職活動を進められます。
また、エージェントサービスを利用することにより、キャリアアドバイザーのサポートも受けられます。自分一人で活動するのではなく、求人紹介から面接などのサポートも受けたい人にもおすすめです。
また、dodaはスカウトも活発であり、適切なプロフィールを登録することで企業からのオファーが届きます。スカウトの内容から自身の転職市場価値を把握できます。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 223,697件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 全職種 |
種類 | 総合型 |
看護師として転職する場合におすすめの転職エージェント
看護師に特化した「看護roo!」
- キャリアパートナーが内定まで徹底サポート
- エージェント求人・ダイレクト求人の2種類がある
- 看護師転職に役立つおすすめコンテンツも充実
看護roo!は株式会社クイックが運営する看護師求人を専門に扱う転職エージェントです。キャリアパートナーが求職者の希望をヒアリングし、適切な求人を紹介してくれます。
また、転職エージェントですが「ダイレクト求人」と呼ばれる利用者が自ら応募・やり取りできる求人も用意されており、自分に合った方法で転職活動を進められます。
「エージェント求人」はキャリアパートナーの紹介により応募できるもので、企業の詳細情報や面接アドバイスなどを受けられるためお勧めです。
看護師転職に役立つおすすめコンテンツも充実しているため、隙間時間などを活用し情報収集が捗るでしょう。
運営会社 | 株式会社クイック |
公開求人数(2024年1月5日時点) | 83,542件 |
対応地域 | 全国 |
職種 | 看護師 |
種類 | 特化型 |
看護師が転職後1ヶ月で辞める場合によくある質問
転職して何ヶ月くらいで慣れますか?
転職してから新しい職場に慣れるまでの期間は、環境や人によって異なります。人によっては慣れるまでに1ヶ月かからない人もいますが、一般的に3ヶ月から半年ほどはかかるといわれています。
そのため、転職後1ヶ月で辞めた場合は「職場に慣れていないのに、もう辞めるの?」と思われることもあるでしょう。
辞めるときは何ヶ月前に伝えるべきですか?
民法627条では「退職する2週間前に告知する必要がある」としています。そのため、法律上では退職する2週間前までに上司などに伝えなければなりません。
ただし、職場の就業規則などには「1ヶ月前」「3ヶ月前」と定めていることもあるため、事前に確認する必要があります。
まとめ
この記事では、転職した看護師が1ヶ月で辞めた方が良い場合について紹介しました。看護師が転職して1ヶ月ほどの期間で辞める場合、特別な状況を除いてデメリットが大きいため注意しなければなりません。
実際に短期間で辞めた場合でも履歴書に記載する必要があり、人によっては辞め癖がつき後の人生に悪影響を及ぼすこともあります。辞めた方が良い場合と後悔するパターンを把握し、自分に合ったキャリアを歩む必要があるでしょう。
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